散歩に出かける。
運動は面倒・・・
インドア派だった私はうつ病になる以前は運動習慣を全く持ち合わせていませんでした。余暇は1日中家に居てゆっくり読書することが最高の幸せだったのです。
うつの症状が出てきてから事情が少し変わりました。
症状が重たくなると仕事以外ではベッドから出られなくなります。楽しかった読書も苦痛になり、リラックスする方法を失いました。外出しないため徐々に体力も落ちていきます。日々の生活はネット通販を利用してなるべく家から出ないよう方策を練っていました。
しばらくすると症状が徐々に回復してきます。そこで感じたのが「体力の衰え」です。仕事をしていたら一定運動はしているはずなのですが以前より疲労感が溜まりやすくなり、余暇に外出しても目的を達成するとすぐに帰宅してしまいます。
「心だけでなく身体も不調になったら大変なことになる。運動しよう!」
そう決意した私が取り入れたのが散歩に出かけるということでした。
散歩に関する調査
よく「1日10,000歩」というフレーズを聞きますが、厚生労働省によると1日8,000歩が目標値となっています。
東京都健康長寿医療センターの調査によると、1日当たり4,000歩(内速歩き等の中程度の運動5分)でうつ病の予防には効果があるそうです。
明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査では、余暇時間にまったく運動をしないグループに比べ、1週間に運動を2時間以上しているグループは、1年後に抑うつになるリスクが約半分に抑えられるという結果も発表されています。
米国のハーバード公衆衛生大学院の研究では、週4時間の運動を行うことで、うつ病を発症するリスクは17%低下するといいます。平均して35分以上の運動を毎日行うと、うつ病のリスクが軽減することがわかり、運動量を増やすとより効果的だと発表されています。
何から始めたのか?
- 何分でも良いので気が向くまま近所を散歩する。
- 気が向いたときは少し遠くまで散歩する。
- 散歩の日を決めてその日は普段より多めに歩く。
- 予定がなくても休日も散歩に出かける。
以上の4ステップから散歩を始めました。具体的な数値目標は立てずに気が向くままに散歩を始めてみたら毎日8,000歩までは到達していませんが、6,000~7,000歩は自然と達成していました。週で4時間以上は散歩に時間を使っています。
気をつけていること
- 歩数を記録するようにしています。
- 水筒を持ち歩いてこまめに水分補給を行っています。
- 症状に合わせて散歩の量を変えています。
- 背筋を伸ばしてやや上を向いて歩くようにしています。空を見ながら散歩するイメージです。
- 散歩のときはスマホなどの電子機器は見ないようにしています。
- イヤホンも装着せずに街の音に意識を集中します。
- ネガティブな考えが頭に思い浮かんだら「右足、左足、右足・・・」と今踏み出している足を頭の中でつぶやくようにしています。
散歩を始めてよかったこと
- 散歩をしながら自分が抱えている問題について考えると建設的な解決策が思い浮かびやすくなりました。
- 近所でも今まで通ったことのない道や景色が目に入るようになりました。
- 外気に当たることで季節や気温の変化に敏感になりました。
- 以前より幅広く、多くの書籍を読むようになりました。
- 日に当たり運動することで睡眠の質が向上しました。
まとめ
1日4,000歩は仕事に就いている人は容易に達成できる目標だと思います。しかし、デスクワークが多い、休日は一切外出しない、うつの症状が重く外出する意欲がない場合は1日4,000歩はハードルが一気に高くなります。
- 自分が毎日何歩歩いているか記録してみる。
- うつの症状が重いときは部屋を明るくして室内をぐるぐる歩くことから始める。
- 部屋を歩くことも難しいのであればその場で少しだけ足踏みしてみる。
など、無理のない範囲で毎日少しでもプラスして歩けるように意識することから始めることが大切だと今は考えています。